若年性認知症とは

若年性認知症について

認知症は高齢者が発症するイメージがありますが、若い方でも認知症になることがあります。65歳未満で発症した場合は「若年性認知症」といいます。

若年性認知症は早期発見が難しい

若年性認知症が発症してしまう原因は血管性とアルツハイマー型が圧倒的に多く、全体の6割以上を占めます。
2017年~2019年の厚生労働省の調査で若年性の患者は約3.57万人と推計されました。女性よりも男性の方が多く発病時の平均年齢は約50歳です。
若年性認知症の特徴のひとつとして発症しても年齢が若いため、疲労やうつと考えて病気に気づきにくい事例が多い現状です。
普段の生活で支障をきたす事があっても自分が自覚できない人がほとんどで、結果的に認知症の診断が遅れ病状が進行してしまうケースもあります。

若年性認知症の症状

若年性認知症として高齢者の認知症と区別されていますが症状に大きな差異はありません。
脳の障害が原因で起こる中核症状とそれに伴う心理的な原因で起こる行動・心理症状の2つに大別されます。
中核症状の一つとして数日前や数時間前の出来事が思い出せない記憶障害があります。病気が進行すると数分前の事も忘れるようになってしまいます。
具体例として仕事や日常で大事な予定を忘れたとします。忘れた事を指摘されても本人は予定を組んだこと自体を忘れてしまっています。加えて予定を思い出すことができません。予定を組んだことを覚えていても時間や場所を忘れる事もあります。
また記憶力だけではなく思考力の低下も中核症状のひとつです。思考力が低下することによって同時に複数の事ができなくなります。料理の手順が分からなくなったりお買い物の会計に計算ができなくなったり、毎回お札で支払う事で小銭が大量に財布の中にたまったりします。判断力も低下するので車の運転も大変危険を伴います。
行動・心理症状においては徘徊や妄想、うつなど精神的に不安定な症状が見られます。徘徊は認知症の代表的な症状徘徊による行方不明者は高齢者も含めて年間1万人にものぼるという報告があります。
なにかおかしいと日常生活に違和感を感じたときに自分が認知症ではないかという可能性があると病気に早く気付くことができます。

家族が若年性認知症になったら

若年性認知症を発症する年代は働き盛りである事が多く、経済的な問題に直面します。本人や配偶者の仕事に支障が出る事が多い理由からです。
お子様がいらっしゃる場合は病気の影響で教育や結婚など人生設計が大きく変化せざるを得ぬケースもあるでしょう。このように若年性認知症は本人はもとより家庭生活への影響が大きな病気となります。
若年性認知症と診断されたらまずはじっくり医師などの専門家に相談しましょう。病気の対応は早ければ早いほど進行を遅らせ症状を改善する余地が大きくなります。
病気に直面し本人はおろか家族も不安を抱え混乱するのは必至です。しかし本人にとって家族の支援は必要不可欠となります。本人、家族、周囲の人間が病気をしっかりと理解し病気を受け入れる事が大切です。周りにいる人間は穏やかな気持ちで接し寄り添ってあげましょう。これからの生活に必要な支援や制度の利用を検討しましょう。
具体的なサポートとして40歳以上なら介護保険を利用できます。認知症により日常生活に支障がある方はデイサービスやグループホームなどで自立した生活に向けた支援を受けることができます。
40歳未満の方は自立支援医療制度など各種支援制度を利用できるので役所の福祉課に相談してみましょう。

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